ファイナルコール2

過ぎた約束の時間
閉まった搭乗口
見つからない飛行機
たたずむ息を切らした二人の日本人
今日は日本へ戻るはずだった日
既に約束の時間を10分経過した事を示そうとしている時計。息を切らしながらも搭乗口に到着。すぐにかけられる声。「東京行きですかっ?」勢いよく答える私。「そうです!!」

チケットを渡し、その場で切られる。横に居た人が急いで無線で何かを言っています。もう何語でしゃべっているのかも私には分かりませんでしたが、「機長!!搭乗予定の人が現れました。離陸は待ってください!!」。私にはそう言っているように聞こえました。息を整えて事のなりゆきにまかせる私。しばらくして「こっちこっち」と誘導されました。てけてけ誘導されるままに歩いていくと、そこには1台のバス。飛行機がいる場所に連れて行くから乗れという事だと思いました。バスに乗り込むととても豪華です。向かい合って置いてあるゆったりした椅子。8個くらいしかありません。ぶかっとその椅子に座り込むと足が笑い出しました。すごい汗をかいていることにも気づきました。広い広い滑走路付近を走るバス。目の前を通る飛行機をやりすごすために停止するバス。バスは広い滑走路を横目に何分か走りました。そして見える飛行機。見覚えのあるマーク。あれだっ。きっとあの飛行機だ!飛行機に近づいていくバス…良かった。これで日本へ帰れる。しかし、飛行機の扉は開いていません。乗り込むための階段も見当たりません。

…バスは停車したと思ったら、Uターンして来た道を戻り始めました…
(続く)