細い月を見上げたら、いつもと違う道に誘われた

今日の帰り道、ふと空を見上げると細長くなった月があった。特別に明るいわけでもなく、いつもより濃い色をしていた。そんな月を眺めていたら、いつも曲がる角を曲がり損ねた。戻る事もせず、今日は回り道して帰ってもいいよねって気分になった。

夜の公園の脇を通った。広くて綺麗な公園。少しだけある街頭は広い暗闇の一部を照らしていて、その明かりが照らす景色はいつもと全然違って見えた。かなり広い間隔である街頭。その街頭の間には真っ暗な空間。所々照らされる景色だけを見ると、本当にどこだか分からない。でも、すごく新鮮な景色に見えて、綺麗だと思った。

いつも何気なく見ている景色。昼間の明るい景色でもなく、光の無い真っ暗な景色でもない。所々ポツンと照らされた景色。知っているけど知らない景色がうれしくて、自転車をゆっくりこいだ。首がまわるだけ大きく左から右へとゆっくりと見渡した。うん、知っている場所だけど、今見ている景色は初めてだ。涼しい風が心地よくて、穏やかな気持ちになる。流れる景色はやがて途切れていつもの道が見えてくる。そこで一気に立ちこぎをして家へ向かう。いつもの景色が流れ始めても穏やかな気持ちはそのままだった。

うーん、眠いっ。